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哲学の道

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哲学の道

京都市左京区の琵琶湖疎水分流に沿って「哲学の道」があります。およそ2kmほどの「哲学の道」の南端にあるのが若王子神社(にゃくおうじじんじゃ)です。1160年の創建で、紀州の熊野権現を後白河法皇が勧請したと言われている一方で、永観堂を創建した僧真紹が永観堂の守護神として創建したとも言われています。若王子神社の名前は、祭神のうちの一神である天照大御神の「若一王子(にゃくいちおうじ)」と言う別号から付けられたものです。足利尊氏の崇敬を受けた後は、八代将軍義政がここで花見の宴を設けるなど、足利家の各将軍たちや武家たちから厚い信仰を受けました。応仁の乱で焼失してしまいますが、豊臣秀吉に支援されて再建しました。本宮、新宮、那智、若宮は、明治時代に修築されて、四殿が拝殿の奥に並んでいましたが、1978年に一社相殿と言う形式に変わりました。

若王子神社から哲学の道を北へ15分ほど歩くと光雲寺があります。寺号は霊芝山光雲寺、南禅寺派の寺院で南禅寺北一坊と称して、「南禅寺禅センター」と言う看板を掲げて座禅研修などを行っています。元来は摂津国難波にありましたが、南禅寺天授庵の英中玄賢禅師によって1657年に再興されました。後水尾天皇の中宮東福門院に支援されて、現在の地に移りました。仏殿は江戸時代初期の禅宗建築で立派なたたずまいをしています。

若王子神社から山裾に沿った琵琶湖疏水分線を少し北に向かうと、大豊神社の参道に入ります。参道までの道沿いは、山側に自然の森が広がり、疏水の対岸には桜並木があります。四季折々の美しさを見せ、京都では大変の人気の高い散歩道となっていて、大勢の観光客がここを訪れます。「日本の道100選」に選ばれるあまりにも有名な道のひとつです。大豊神社の参道の両脇にも紫式部、ワレモコウ、ウツボグサ、スイフヨウと言った可憐な山野草が植えられていて心和む風景が見られます。

大豊神社の祭神の主神が少彦名命(すくなびこなのみこと)で、応仁天王と菅原道真が祀られています。社伝によると、887年に宇多天皇の病気平癒のために創建されたと言うことです。かつては背後にそびえる東山三十六峰のひとつである椿ヶ峰山中にあったため、椿ヶ峰天神と呼ばれていたのだそうです。1017~21年に椿ヶ峰山麓にある現在の地に移築されて、地域の産土神として信仰されています。大豊神社でユニークなのが、境内末社の大国社には狛犬の代わりに狛鼠が置かれ、日吉社には狛猿、愛宕社には狛鳶が置かれ殿社をみまもっていることです。

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